一条工務店のRAYエアコン、採用前に知るべき9つの注意点
一条工務店で家を建てるなら、標準でついてくるRAYエアコンをそのまま採用するか、やめて市販エアコンにするか、一度は悩むポイントだと思います。
結論から言うと、我が家はRAYエアコンの採用をやめました。調べれば調べるほど、見過ごせない注意点が出てきたからです。
この記事では、RAYエアコンの注意点を9つにまとめて紹介します。打ち合わせ前の判断材料にしてください。
この記事の内容は動画でも解説しています(クリックで再生)
そもそもRAYエアコンとは?
RAYエアコンは、一条工務店の全館床暖房に標準でついてくるエアコンです。メーカーは長府製作所。6畳用ではなく10畳用のエアコンで、取りやめると4万円の減額になります(HUGmeなど商品によっては減額がないケースもあるので、営業さんに確認してください)。
最大の特徴は、床暖房の室外機とエアコンの室外機を1台で兼用していること。室外機が1台で済むのはメリットですが、これが最大のデメリットにもなります。
注意点1. 床暖房との同時使用ができない
これが一番大きな問題です。冬に床暖房を動かしている間は、RAYエアコンが使えません。
「冬は床暖房があるからエアコンはいらないでしょ?」と思うかもしれません。暖房としてはそのとおりです。でも問題は、冬でも部屋が暑くなる場面があること。
一条の家は断熱性能が非常に高いので、冬でも日当たりがいい日は室温がどんどん上がります。料理をしているときも同じです。「ちょっとだけ冷房をかけたい」と思っても、RAYエアコンでは床暖房と同時に動かせないので冷房が使えません。
窓を開ければ解決はしますが、せっかくの高気密高断熱の意味がなくなりますし、花粉の時期はなおさら開けたくないですよね。我が家はこれが決め手でRAYエアコンの採用をやめました。
注意点2. さらぽか空調との併用もできない
さらぽか空調を採用している場合も同じ問題があります。夏に床冷房を動かしている間は、RAYエアコンの冷房が使えません。
室外機を共有しているので、床冷房かエアコンかどちらか一方しか動かせないのです。猛暑日にさらぽかだけでは足りないとき、エアコンで補助できないのはかなり辛いポイントです。
注意点3. 室外機が壊れると床暖房も止まる
室外機を1台で兼用しているということは、その1台が故障すると床暖房もRAYエアコンも両方使えなくなるということです。
真冬に室外機が壊れたら暖房手段がゼロになります。修理の対応に1週間かかることもあるようで、真冬に1週間暖房なしはさすがに厳しいですよね。
注意点4. 交換費用が一般エアコンの約3倍
RAYエアコンの交換は、室内機と室外機セットで25万〜32万円程度と言われています。一般的なエアコンなら本体と取り付けで10万円前後なので、およそ3倍の差があります。
実際にX(旧Twitter)上でも、i-Smartに住んで9年で暖房が壊れ、機器交換に38万6千円かかったという投稿も見かけました。型番が変わると費用も変わるようですが、いずれにしても市販エアコンとは桁違いです。
しかも、RAYエアコンは家電量販店では売っていません。一条工務店を通してしか買えないので、相見積もりが取れないのもネックです。
ただし補足として、市販エアコンもいずれは壊れるので、普段の修理レベルならランニングコストの差はそこまで大きくないという声もあります。差が大きく出るのは、室内機と室外機を丸ごと交換する事態になったときです。
注意点5. 再熱除湿機能がない
RAYエアコンには再熱除湿機能がありません。2018年頃の仕様変更で廃止されました。
再熱除湿とは、湿度だけ下げて温度は下げない機能のこと。普通の除湿(弱冷房除湿)だと部屋が冷えすぎてしまうので、梅雨の時期にはかなり重宝する機能です。市販の10万円クラスのエアコンにも搭載されていることが多いのに、RAYエアコンにはありません。
注意点6. ガス漏れの報告が多い
ネット上ではRAYエアコンのガス漏れに関する声がかなり見つかります。
なかには、長府製作所の修理担当者にエラーコードA1と伝えただけで「よくあることです、多発しています」と即答されたという体験談もありました。メーカーの担当者が「多発」と認めるレベルというのは、やはり気になるところです。
注意点7. クリーニング対応業者がほぼいない
RAYエアコンの分解方法は業界の技術研修でも公開されておらず、大手のクリーニング業者でも対応を断るケースがあるようです。エアコンは定期的なクリーニングが必要なので、業者が見つからないのは長く住む上で困ります。
注意点8. 配管が特殊で将来の交換が大変
RAYエアコンは配管の径が一般的なエアコンと異なります。将来RAYエアコンをやめて他メーカーのエアコンに替えたいと思っても、配管の入れ替えが必要で大掛かりな工事になります。
注意点9. ルームエアコンへの切り替えに電気工事が必要なことも
将来ルームエアコンに切り替えようとしても、床暖房用の室外機の200Vコンセントでは容量が足りず、電気配線の増設工事が必要になるケースがあります。一度RAYエアコンを採用すると、なかなか抜け出しにくい構造になっているのです。
RAYエアコン採用前チェックリスト
以下の項目に1つでも当てはまるなら、市販エアコンの採用を検討する価値があります。
| チェック項目 | RAYエアコンの制約 |
|---|---|
| 冬に床暖房とエアコンを同時に使いたい場面がある | 同時使用できない |
| さらぽか空調との併用を考えている | 床冷房とエアコンの同時使用もできない |
| 室外機1台に集約するリスクが気になる | 故障で床暖房もエアコンも両方止まる |
| 将来の交換費用を抑えたい | 交換費用25〜38万円(一般エアコンの約3倍) |
| 再熱除湿機能がほしい | 2018年以降は再熱除湿なし |
| ガス漏れ等の故障リスクが気になる | エラーコードA1の報告が多数 |
| エアコンクリーニングを定期的にしたい | 対応業者がほぼいない |
| 将来エアコンを他メーカーに替える可能性がある | 配管径が特殊で大掛かりな工事が必要 |
| 将来ルームエアコンに切り替える可能性がある | 電気配線の増設工事が必要になるケースあり |
市販エアコンにするメリット
市販のエアコンに切り替えれば、以下のメリットがあります。
- 床暖房と同時に使える
- 再熱除湿機能が使える
- クリーニング業者を自由に選べる
- 交換費用が安い(約10万円)
- 家電量販店で相見積もりが取れる
- 将来の選択肢が広い
初期費用はRAYエアコンを取りやめた減額分(4万円)を差し引いても少し増えますが、長い目で見ると安心感が大きいと感じています。
まとめ
RAYエアコンは室外機を1台にまとめられるという点では合理的ですが、「床暖房との同時使用ができない」「交換費用が高い」「将来の選択肢が狭まる」といった注意点があります。
特に一条工務店の高断熱住宅では、冬でも室温が上がりすぎて冷房がほしくなる場面が意外とあります。この点を見落としていると、住んでから後悔することになりかねません。
打ち合わせの段階で営業さんに「RAYエアコンをやめたらどうなるか」を確認して、ご自身の生活スタイルに合った選択をしてください。