ろれさんの一条攻略日記

一条工務店の性能を落とさないために設計で気をつけたこと

一条工務店は断熱等級7、UA値0.25前後と業界トップクラスの断熱性能を誇ります。

でも、同じ一条で建てても設計の選択次第でUA値が0.04以上変わることを知っていますか?

この記事では、筆者(ろれ)が設計の打ち合わせ中に調べて実践した「断熱性を無駄にしないための7つのポイント」をランキング形式で紹介します。全て建ててからでは変えられないものばかりなので、設計中の方はぜひチェックしてください。

この記事の内容は動画でも解説しています(クリックで再生)


まず結論 - 設計で気をつけた7つのチェックリスト

影響が大きいと感じた順に、7位から1位までランキングにしました。

順位項目ポイント
1位窓の数・大きさ・方角別ガラスUA値0.04改善の最大要因
2位差圧感応式給気口の位置外気がそのまま入る盲点
3位玄関まわりの断熱ドア選びで2.6倍の差
4位建物の形真四角が断熱効率最高
5位引き違い窓の多用FIX窓より25%断熱が劣る
6位勝手口の設置壁の10〜20倍熱が逃げる
7位お風呂の窓結露・カビリスクも上がる
ボーナス軒の延長冷房エネルギー20〜40%削減

以下、それぞれ詳しく解説します。


7位: お風呂の窓はなくてOK

打ち合わせでは当たり前のようにお風呂に窓がついてきます。「明るいお風呂って憧れる」と思うかもしれませんが、冷静に考えてみてください。

お風呂って基本的に夜使いますよね?

壁に比べると窓はどうしても熱が逃げやすく、しかもお風呂は湿気が多くて温度差も大きいため、結露やカビのリスクが上がります。

「換気のために窓を開ける」という人もいますが、一条にはロスガード90があります。温度交換効率90%で24時間換気してくれるので、わざわざ窓を開ける必要はありません。むしろ窓を開けると熱交換が台無しになります。

お風呂の窓で迷ったら、こう考えてみてください。

  • 明るさは照明でいくらでも対応できる
  • 換気はロスガードに任せればいい
  • 窓を1つ減らすだけで断熱の弱点が1つ減る

6位: 勝手口は断熱の大きな弱点

勝手口ドアの断熱性能は壁と比べてどのくらい違うか知っていますか?

部位U値(W/m2K)
一条の壁約0.2
勝手口ドア(一般的)2.33〜4.65

壁の10倍から20倍以上も熱が逃げます。しかも勝手口は開閉するたびに冷気が直接入ってきます。

使用頻度を考えたときに「なくても困らない」なら、つけない選択が断熱的にはベストです。

もしつける場合は、以下を意識してください。

  • リビングからできるだけ離す
  • ロールスクリーンで仕切れるようにする
  • ゴミ出し動線など、本当に必要かを再検討する

5位: 引き違い窓を減らしてFIX+縦すべりに

窓の種類によって断熱性能がかなり違います。一条工務店の防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシの場合、以下のとおりです。

窓の種類U値(W/m2K)ハニカムシェード併用
FIX窓(はめ殺し)0.80.6
開き窓・すべり出し窓0.80.6
引き違い窓1.00.8

引き違い窓はFIX窓や開き窓より25%も断熱性能が劣ります。構造上、レール部分にどうしても隙間ができるためです。

「大きい窓=引き違い」というイメージがありますが、FIX窓と縦すべり窓を組み合わせれば、開放感を保ちつつ気密性も高くできます。

  • 景色を楽しむ窓はFIX窓に
  • 換気用は縦すべり窓に
  • 引き違い窓は最小限に

窓の種類を意識するだけで断熱性能が変わります。


4位: 建物の形はできるだけ真四角に

同じ床面積でも、建物の形が複雑になるほど外壁の面積が増えて、そこから熱が逃げます。

  • 真四角の総二階 → 外皮面積が最小 → 断熱効率が最も高い
  • L字型 → 角が増えて外皮面積が増加
  • コの字型 → さらに外皮面積が増加 → UA値が悪化

デザイン性とのトレードオフにはなりますが、「角を1つ減らせないか?」と意識するだけで、設計士さんとの打ち合わせで改善できる可能性があります。

筆者はこのポイントにかなりこだわり、できるだけ真四角に近い形で設計しました。


3位: 玄関まわりの断熱は選択肢が多い

玄関は家の中で最も寒くなりやすい場所です。ここは選択肢がいくつもあるので、1つ1つ断熱性能を意識して選ぶことが重要です。

玄関ドアの選択

ドアU値(W/m2K)
ダンジュ(ガラスなし)0.46
プロノーバ(片開き)1.20

ダンジュはプロノーバの約2.6倍の断熱性能です。見た目でガラス付きを選びたくなりますが、断熱を考えるならガラスなしが圧倒的に高性能です。

その他のポイント

  • 親子ドアより片開きドアの方が気密性が高い(開口部が1つ減るため)
  • シューズクロークの土間面積を広げすぎない(冷えの原因になる)
  • 土間と基礎の境目にヒートブリッジ(熱の通り道)ができやすい

筆者はダンジュのガラスなし・片開きを選びました。


2位: 差圧感応式給気口の位置は必ず確認する

これ、知らない人がかなり多いのですが、断熱に与える影響はとても大きいポイントです。

差圧感応式給気口とは、レンジフードを回したときに室内の気圧が下がって自動で開く給気口のこと。ロスガードを通らないため、外気がそのまま室内に入ってきます。

冬に外気が0度の場合、給気口付近の温度は10〜13度くらいまで下がるという実測データもあります。

位置が重要な理由

  • レンジフードから遠い位置にあると、冷たい外気がリビングを横断する
  • レンジフードの近くに配置すれば、冷気がすぐ吸い込まれて生活空間への影響が少ない
  • ただし近すぎると「ショートサーキット」(外気がそのまま排気される)になるので、910mm以上は離す

設計士さんが自動で配置することが多いですが、位置の最適化まではしてくれないことがあります。図面で必ず位置を確認しましょう。

補足として、車通りの多い道路側に設置すると開いたときに騒音が入ってくるため、道路と反対側がおすすめです。


1位: 窓の数と大きさ、そして方角別ガラス

堂々の1位は窓です。住宅の熱損失の約3分の2は窓から発生しており、窓は断熱の最大の弱点です。

窓面積を減らすだけでUA値が改善する

窓面積(対床面積)UA値
15%(標準設計)0.290-
8%(削減設計)0.248-0.042

窓面積を半分に減らすだけで、UA値が約0.04も改善します。開放感のために大きな窓をたくさんつけたくなる気持ちはわかりますが、これが最大の落とし穴です。

方角でガラスを使い分ける

窓ガラスには日射取得型と日射遮蔽型があり、方角によって使い分けるのが基本です。

方角ガラスタイプ理由
南面日射取得型冬に太陽熱を取り込む
東・西・北面日射遮蔽型夏の朝日・夕日を遮る

日射取得型は遮蔽型の約1.6倍も太陽熱を取り込めます。南面に遮蔽型を使ってしまうと、冬の暖房効率がかなり下がります。

窓の数と大きさを見直して、方角に合ったガラスを選ぶ。これだけでUA値がかなり変わるので、1位にしました。


ボーナス: 軒の延長は費用対効果が高い

断熱とは少し違いますが、夏の暑さ対策として軒の延長がとても効果的です。

項目内容
冷房エネルギー削減20〜40%
軒延長オプション最大90cm、坪5,000円
片屋根ずらし無料
軒が短い場合のリスク雨漏り発生確率が5倍

坪5,000円でこれだけの効果があるなら、やらない手はありません。

ただし、i-smart(2x6工法)は1階に軒が作れない制約があるので注意してください。グランスマートやグランセゾンなら対応しやすいです。


まとめ - 設計の段階が勝負

今回紹介した7つのポイント+ボーナスは、全て建ててからでは変えられないものばかりです。

改めてチェックリストを振り返ります。

  1. 窓の数と大きさを見直す+方角別ガラスを使い分ける
  2. 差圧感応式給気口の位置を図面で確認する
  3. 玄関ドアはダンジュ(ガラスなし)+片開きを検討する
  4. 建物の形はできるだけ真四角に近づける
  5. 引き違い窓を減らしてFIX+縦すべりにする
  6. 勝手口は本当に必要か再検討する
  7. お風呂の窓は基本的に不要
  8. (ボーナス) 軒の延長を検討する

一条工務店の基本性能はすごく高いです。でも、その性能を100%活かせるかどうかは設計次第。これから打ち合わせに入る方は、ぜひ1つでも意識してみてください。

あくまで筆者個人の経験と調査に基づくランキングですが、参考になれば嬉しいです。