ろれさんの一条攻略日記

一条工務店の図面チェックポイント - 打ち合わせのたびに確認しよう

一条工務店で設計打ち合わせが進んで、最終図面を受け取ったとき。「間取りはOK、窓も決めた、コンセントも増やした。これで大丈夫でしょ」と思っていませんか?

結論から言うと、図面には設計士さんが説明しない記号や設定がたくさんあります。ここを見落とすと、住んでから「なんでこうなってるの?」と後悔することになります。

この記事では、着手承諾前に確認すべき図面のチェックポイントを、カテゴリごとに解説します。

この記事の内容は動画でも解説しています(クリックで再生)


まず知っておいてほしいこと

図面チェックで一番大事なのは、「前回の図面と最新の図面を必ず比較する」ことです。

一条工務店では、間取り図をフィリピンの工場に送って構造計算をします。この過程で、施主が知らないうちに仕様が変わることがあります。SNSでは「サイレントフィリピン」と呼ばれるほど有名な話です。

変わりやすいもの一覧はこちら。

変更されやすい項目具体例
高さ・サイズが変わる、かすみが透明になる
コンセント位置がズレる
SA(給気口)位置が移動する
情報ボックス位置が変わる
垂れ壁想定外の場所に出現する

前回の図面は絶対に捨てずに手元に残してください。最新図面と並べて差分チェックするのが、着手承諾前の最重要作業です。


1. 窓・ハニカムシェードの記号を読む

窓まわりは図面の記号を読めるかどうかで、チェックの質が大きく変わります。

ハニカムシェードの紐の左右(M_断_R / M_断_L)

電気配線図の窓の近くに「M_断_R」のような記号が書いてあります。これはハニカムシェードの仕様を表しています。

記号意味
M手動
E電動
断熱タイプ
遮熱タイプ
R操作紐が右側
L操作紐が左側

ここで確認してほしいのが、紐の左右と家具の配置です。寝室の窓でベッドの反対側に紐が付いていたら、毎朝ベッドを越えて手を伸ばすことになります。全部屋の窓で紐の位置を家具配置と照合してください。

窓の高さ(FL+○○○)

展開図に「FL+550」のように書いてある数字は、床面から窓の下端までの高さ(mm)を意味します。この値が前回の図面から変わっていないか必ず確認してください。構造計算後に勝手に変わっていることがあります。

その他の窓チェック項目

  • かすみ/透明の指定が正しいか(隣家・道路に面した窓が透明のままになっていないか)
  • 1階と2階の窓の高さが立面図で揃っているか
  • カーテンレール用の壁下地が指定されているか

2. スイッチの落とし穴

スイッチの配置は設計士さんが機械的に決めていることが多いです。自分の生活動線に合っているか、1つずつ確認しましょう。

ドアの裏に隠れないか

これが一番多い見落としです。平面図のドア記号には円弧が描いてあります。あの開き方向とスイッチの位置を重ねて、部屋に入ってすぐスイッチをONにできる配置になっているか確認してください。

さらに深いチェックとして、利き手でドアを開けた直後に、空いている手でスイッチを押せるかも考えてみてください。荷物を持っていたり、赤ちゃんを抱っこしているときを想像すると、この配置の重要性がわかります。

スイッチネームを指定する

デフォルトだとスイッチのラベルは全部「照明」としか書かれていません。オプション(約100円)で具体的な名前に変更できるので、必ず指定しましょう。

人感センサー(かってにスイッチ)の検知範囲

検知範囲は扇形で約3メートル。廊下のセンサーの検知範囲が隣の部屋のドアまで及んでいると、ドアがちょっと開いただけで廊下が点灯します。夜中にトイレに行くたびに廊下が光るのはストレスです。

ただし、センサーの検知範囲はカバーを指でスライドするだけで自分で調整できます。工事も業者も不要なので、住んでから気軽に変えられます。

その他のスイッチチェック項目

  • 寝室にベッド付近の3路スイッチがあるか(電気配線図で「3」の記号を探す)
  • スイッチの並び順と照明の対応関係が直感的か
  • リモコンニッチの操作盤の並び順を使用頻度で指定したか

3. コンセントの高さを微調整する

電気配線図の各コンセントに「H=○○○」と書いてある数字がコンセントの高さ(mm)です。

デフォルトのH=300は意外と目立つ

一条のデフォルトは床から300mm(30cm)。一般的な賃貸の200mmより10cm高いので、微妙に目に入る高さで結構気になります。

高さの変更は無料です。知らないとデフォルトのまま建つだけなので、用途に合わせて調整しましょう。

用途別の最適な高さ

用途推奨高さ理由
一般(目立たせたくない)200mm賃貸と同じ標準的な高さ
ベッドサイドベッド高 + 250mmベッドの上から手が届く
冷蔵庫1800〜1900mmコンセントが見えずスッキリ
カップボード天板高 + 150mm配線が垂れ下がらない
壁掛けテレビTV裏に隠れる高さテレビのインチ数から逆算

その他のコンセントチェック項目

  • エアコンのコンセント位置(デフォルトはエアコンの真下。横に移動も可能だが火災リスク的には真下が理想)
  • 枕元のコンセントがベッドのヘッドボードと干渉しないか
  • 屋外コンセントの高さがウッドデッキに埋もれないか
  • 使う家具や家電の実寸を図面にスケールで書き込んで位置関係を確認する

4. 照明と設備の干渉チェック(最重要)

ここが図面チェックで一番見落としが多いセクションです。電気配線図と天井伏せ図を重ねて、照明と設備の干渉を1つずつチェックしてください。

ダウンライトの真下にエアコンが来ていないか

これをやると、エアコンが神々しく光るだけの照明になります。電気配線図にはエアコンの寸法が正確に書かれていないことがあるので、実際のエアコンのサイズを図面に書き込んで確認しましょう。

壁を照らす照明の面に火災報知器がないか

ブラケットや間接照明で壁面をおしゃれに照らしても、そこに白い火災報知器が付いていたら台無しです。火災報知器は目立たない壁面に移動を指定できるので、設計士さんに伝えましょう。言わないとデフォルト位置のまま付きます。

おしゃれ天井面の設備チェック

下がり天井や折上天井を計画している人は、以下が意匠天井面に配置されていないか確認してください。

  • 火災報知器
  • ナノイー発生器(air-e)
  • SA(給気口)

SAの給気口パーツに間接照明の光が当たると影が出て目立ちます。コーブ照明の照射範囲とSAの位置は必ず照合しましょう。

ダウンライトの縦横ラインが揃っているか

天井伏せ図でダウンライトの配置を確認して、縦横のラインが揃っているか定規を当ててチェックしてください。ただし、意図的に照らしたいものがあって位置をずらしているなら問題ありません。目的のない不揃いだけが問題です。


5. SA・換気口と外観のチェック

SAの位置が前回の図面から変わっていないか

構造計算後にSAの位置が勝手に移動されることがあります。特に寝室やリビングのSAは必ず再確認してください。

SAがベッドやデスクの真上に来ていないかも重要です。熱交換率90%でも冬場はSAの直下に冷たい風が落ちてきます。顔に当たると寝付けなくなります。

差圧感応式給気口の位置

打ち合わせではまず話題にならない設備です。デフォルトで冷蔵庫の上に付くことが多いのですが、レンジフードを回すと家の中の気圧が下がって、この給気口から外気が直接入ってきます。冬にリビングを外気が横断したら断熱性能が台無しです。

立面図にエアコンのダクト経路を描いてみる

蛍光ペンを持って、2階のスリーブから室外機までの経路を立面図に描いてみてください。経路上に1階の窓や給気口があると迂回が必要で、外壁を這うダクトが見た目を大きく損ないます。驚く人が多いので、ぜひやってみてください。

また、室外機・換気口のグリル・給湯器が道路側の正面に集中していないかも確認しましょう。指定しないと一番配置しやすい場所に付くので、側面に集約するよう指定してください。


6. 建具と家具の寸法を照合する

開き戸の有効寸法は591mm

一条の開き戸は591mmしかありません。ファミリーサイズの冷蔵庫は幅650〜685mmなので、開き戸だと通らない可能性があります。引き戸なら741mmで余裕があるので、搬入経路上のドアを引き戸に変更するのも1つの手です。

玄関から設置場所まで、搬入経路全体の開口幅を確認しましょう。

キッチン通路幅の確認

食洗機の扉は約60cm開きます。一条の標準通路幅(グランセゾン83cm、i-smart 80cm)だと、食洗機とカップボードの扉を同時に開けられません。

冷蔵庫横に目隠し壁を付ける場合、壁との距離が近いと冷蔵庫のドアが90度以上開かず、野菜室の引き出しが完全に引き出せなくなることもあります。


7. 見落としがちな設備の位置

設計士さんが勝手に決めてしまう設備の位置を確認しましょう。あなたが指定しなければ、一番配置しやすい場所に付きます。

設備デフォルト位置の問題おすすめの対処
床下点検口キッチンやパントリーに付く(湿気・カビの原因)洗濯機の下や階段下収納に指定
天井点検口リビングや寝室に付く(天井のノイズに)廊下やクローゼットに移動
ドアストッパー動線上で足を踏む不要な場所は設置しない選択も可能
ナノイー発生器アクセントクロスの天井に白い本体が付くWICや脱衣所に配置
情報ボックス勝手に位置変更されることがあるWi-Fiの電波を考慮した位置に

壁の下地補強を忘れずに

壁掛けテレビやカーテンレール、造作棚を付ける予定の壁には、下地補強を入れてもらいましょう。石膏ボードだけの壁に重いものは付けられません。

補強は1820mm幅で約2,500円からです。後からでは対応が難しいので、設計段階で必ず指定してください。


8. 内装の仕上げ方向を確認する

フローリングの床張り方向

フローリングの板を縦に張るか横に張るかで、部屋の印象は大きく変わります。庭に向かって張ると視線が外に抜けて広く感じます。床伏せ図に方向が記載されているので確認してください。

ボックス階段だと床張り方向が自動的に決まることもあるので、設計士さんに確認しましょう。

天井のアクセントクロスの方向

縦横のある柄のクロスだと、天井に方向を示す記号が書いてあります。意図した方向になっているか確認してください。


9. 設計GLと外構の照合

設計GLとは

配置図に「BM+130」のような数字が書いてあります。GLは地盤面の高さ、BMは道路上の測量基準点(ベンチマーク)です。

設計GLの値は、家の基礎の高さや玄関ポーチの段差に直結する重要な数字です。特に道路から家までの距離を変更した場合は、設計GLが変わると駐車場の勾配も変わります。勾配が急すぎると車の腹を擦ったり、雨の日に滑る原因になるので角度を確認してください。


チェックリスト全体のまとめ

最終図面で確認すべきポイントを一覧にまとめます。

カテゴリ主な確認事項
窓・ハニカム紐の左右、窓の高さ(FL+)、かすみ/透明
スイッチドア裏に隠れないか、スイッチネーム、人感センサー範囲
コンセント高さ(H=)、家具との干渉、屋外コンセント
照明と設備の干渉ダウンライトとエアコン、火災報知器の位置、天井設備
SA・換気口SA位置の変更確認、差圧感応式給気口、ダクト経路
建具と家具開き戸の有効寸法、搬入経路、キッチン通路幅
設備の位置床下点検口、ドアストッパー、情報ボックス、下地補強
内装床張り方向、天井クロスの方向
設計GL・外構GL値の確認、駐車場勾配、玄関ポーチの段差

着手承諾は家づくり最後の砦です。図面を1枚ずつ丁寧に確認して、安心して判を押してください。

前回の図面を手元に残しておくこと、構造計算後の図面と必ず比較すること。この2つを忘れなければ、大きな見落としは防げます。